新古今和歌集の部屋

新古今和歌集と源氏物語歌他です。gooよりの移動なのでgoo辞書等関連はリンク切れです。

常縁新古今和歌集鈔 春歌上 式子内親王 立春

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○山ふかみ春ともしらぬ松の戸にたえ/"\かゝる雪のたま水

初春の御哥まことにきとくなり。句ごとに心こも

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りて艶なる所あり。しかも哥風情やさしく

つよからぬは女の哥なればといへるさまなり。

たとへば山ふかくとちこもりたる柴菴松

門などには、いつともなく雪のふりつもりて

春ともしらざりしに、さすがに軒のしづく

の折をしりがほに、をとづれたるをあはれとおぼ

ゆるよし也。松の戸をあそばされたる事、誠に

上手のものなり。いつともわかず、四時の移るをも

しらず、深山幽谷にこもりゐたり心をあらは

さむため也。春ともしらぬとつゞけられたるは

ときはのものにて春夏秋冬もしらぬよしなり。

 
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